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2019-07-30

強い地元企業をつくる【読書メモ】


この本は神戸にあるSASI DESIGNさんが書かれた、事業承継で生まれ変わった10の実践について書かれています。

この本は大きく分けて2つに分かれており、1つは地方とデザインの関わり方について、2つは実際のケース紹介です。

地方企業とデザインについて

デザインと地方の関わり方で、外部コンサルタントや有名デザイナーにお願いした場合でうまくいかないケースについて以下のように語られている。

これまで自社にはなかった華やかな製品ができたとしても、消費動向の把握や商品企画をしてくれる相手がコンサルタントやデザイナーに変わっただけで「ネタ」は外部が持っていることに変わりない。

果たして商品のデザインや形を変え、まだ知らない人に販路を拡大して行くことだけが正解なのかと疑問に思うことがある。
事業者の考え方や業種業態にもよるが、価値を創出するには、まだ知らない人に伝える以外に、地域を支えていくサービスに取り組むことも大事だと私は考えている。

外部ブレーンに軸を持たせるのではなく、あくまでも自分たちに軸を置き、自分たちの街や生活のために誇りを持って続けていけるような事業を目指すことが、これは会社だけではなく個人でも家族でも、団体でも、自らのDNAに照らし未来への道筋を考えるヒントになるのでは。

都市部ではあまり知られていなかった地方の埋もれた工芸品や、産品をピックアップして販売するコンサルタントやバイヤーもいる。外の目を入れて慢性化した意識を変えていくことは非常に重要であるが、事業者はそのものの価値がわからないまま、その都市部で売れそうな商品だけ単に消費されていくのは事業者を取り残し、重要な資源を切り売りしているに過ぎない。(中略)手綱はデザイナーにあるのではなく、常に事業者側が持っているべきである。デザイナーがデザインすべきは、事業者自身の気持ちである。

「これやった方がいいよ!」と自分の興味のないことを提案されるよりも、いくらそれが収益をもたらしたとしても、「僕/私に合った、腑に落ちるやり方を一緒に模索する」という方が持続性が高い。そこと収益性をどう持たせるかが悩みどころではあると思うが、エネルギーの強さは後者である。

エネルギーのないところには、力がない。行動力もない。だからエネルギーがあるところを一緒に見つけることが先決なのだ。

承継起業の3つのステージ

承継起業について書かれているのだが、3つのステージがあるそうだ

  • ステージ1「受け入れる」ー何のために仕事をしているのかを考え抜く
  • ステージ2「自己表現する」ー想いを1秒で伝えるためにデザインする
  • ステージ3「交流・成長する」ー共感者と繋がるデザインスキルを磨いて強くする

まず初めに自分がなぜ事業をしているのか、何のために仕事をし、仕事人生をかけて何を達成したいのか、その理念を何ヶ月もかけて徹底的に問うことで、自分を受け入れ言語化される。

そして、その理念を元に商品開発、パッケージ、インテリア、WEB、まちづくりとデザインをしていく。理念がDNAとしたらそれを様々な部位に波及させていく。ミームのように。

そしてその情報を自分たちで発信していく。継続していく。

地方を継続的に活性化していくのは、地方への補助金ではない。その地方に誇りを持って、新たに承継企業した事業者だ。(中略)今すぐ、目の前にある資源、そして自分自身を見つめ直し、自分の中にある想いに責任を持って表現する。それこそが遠回りのようで一番の近道である。

流行や差別化、これが売れるといった情報など世の中には多くの情報が溢れ、それに飲み込まれがちになるが、情報と向かい合う時間よりも多く自分や自社と向き合い、受け入れていくことが大切なのだ。

SASI DESIGNさんは自らカフェも運営されており、ぜひ今度お邪魔してみたいと思います。

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