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2012-09-09

ソーシャルデザイン山崎亮さんの講演会


おはようございます。日曜日。

昨日は講演会に行ってきました。
コミュニティーデザインでいくつか本を出している、山崎亮さん。
とても面白かったので、ご紹介します。

山崎さんは元々ランドスケープデザイナー。
簡単に説明をすると、建築士は家を建てます。建てたときが一番の完成品。
(もちろん時を経ることを含めてデザインされる方もいらっしゃいます)
ランドスケープデザインは、完成したときは何もない。
1年後、3年後、10年後と時を経るごとに良さが出てくるデザインです。
木が成長したり、人が関わっていったり。時間のデザインみたいですね。

豊かさって、昔は良い物が買えて、それが生活に有って、というものだった。
その物をつくるデザイナーは細部までこだわるデザインをした。
少しでも美しいものを。って。今もそう。
でも、お金持ちが必ずしも幸せではない世の中、
幸せは人との繋がりや経験などにある今、
それもデザインしないと幸せじゃないじゃないかー というのが山崎さん。

彼の作った有馬富士公園。公園全体の時間のデザインも含めたものでした。
当初デザインしたのは公園の一区画のみ。そこには、余白のような場所をいくつか作り、
NPO70団体ぐらいが、毎週いろいろな公園のお楽しみをしかけるようにしたそうです。
毎回同じ遊具より、毎回変わるおもしろイベントのほうが楽しいよね。
残りの場所は、公園に関わる人達の共有の場所(物置き場だったり、みんなで使える道具があったり)とか、翌年なにか新しいことがしたい!というアイデアに対し
使える場所にしていたり。それが毎年つづけられられることで、公園がデザインされていくというもの。面白い!

このアイデアをデパート(各フロアにそういう余白スペースを作る)に設けたり、
町づくりに設けたり(街のいろいろな場所に余白スペースを作る)と発展していったそう。

今の事務所は「ダーツの旅」みたいに日本地図を壁に貼り、ダーツを投げて、
決めたそう。(笑)

コミュニティーには「地縁型」と、「テーマ型」があるそうです。
地縁はいわゆる「地域」。テーマは学校や、週末学校だったり、サークルだったりです。村のお手伝いに行く事が多いそうなのですが、村は「地縁」コミュニティーの強い場所です。そういったところでは、なかなか新しいことを受け入れることが難しい。だから、「地縁+プチテーマ」コミュニティーを作るそうです。地縁の中で、人を集めて、地縁のしがらみはあるけれど、新しいグループを作って、何かをはじめる。形になったら、地縁グループに投げかける。

お祭りって、地縁が多いですよね。(私の入ってる阿波踊りは、かなりオープンだけど)
だから、固まって高齢化してしまう。新参者は入れない。
そういう場所では新しい祭りを作ったそう。
できるだけ地域の人が参加してくれるように促して、いくつかお祭りのためにグループ化をさせる。受付や、演技をする人、お店を出す人などなど。
で、お祭りが終わってからが実は本番で、そのグループが祭りで気の抜けたところに
何か新しい動きがでてくる(ちょっと投げかけてるのかな?)そう。きっかけデザインみたいです。そのグループでカフェをやったり、なにか地域にいいことをしていくみたいです。

山崎さんの言う、「良質な風景を作りたい」。という「良質」は人の笑顔まで含まれているんだと思う。

もともと山崎さんがデザイン仕事を会社でしていた傍ら、住んでいた街を面白くしよう!と、デザイン関係の学生や社会人を募集し、「生活スタジオ」という団体を作ったのが今の母体だそうです。

そこでは、地域の歴史や、楽しさの分布(ファッション、食、生活)、どんな問題があるのかのヒヤリング、地域の特性や良さ、などをリサーチし、今後その街がどうあれば良いかを考え、パネルや模型なども自費で作り、本も分厚い本が作りたいと、低予算ながらスーパー手作り(indesignを使わず、illustratorで100p。100冊。。。)で作り、街のカフェやコミュニティーセンターなどに、活動内容を配布したりしたそうです。

地域で何かをするときは、まずは上記のように徹底的にしらべ、それをパワポなどで
ビジュアライズさせ、地域の人に集まってもらって、見てもらい危機感をもってもらうそうです。(危機感の共有)たとえば、某大手スーパーが来て、だめになった商店街。
某大手のスーパーはだいたい20年で撤退できるような設計になっているそうです。スーパーの利益は地域ではなく、都会に吸われて行きます。20年経って、高齢化したその街からいなくなったとき、残るのは地元の商店街です。
高齢になった時、買い物難民になりたくないですよね、ではずっと残る商店街にお金を落とすような消費スタイルを考えましょう。とか、そういった感じです。

デザインの話も面白かったです。
プレゼン資料など、デザイナーなので細部にこだわりはじめると、どこまでも時間を費やすのが常ですが、このプロジェクトの目的と、そのデザインの価値を推し量って、どこに力を入れてデザインするべきか、この地図のデザインにそんなに時間をかけても、別に共感など出てこない、という部分は時間をかけないそうです。わかる、わかる。

神戸の震災のときに、物を失った人々が人のつながりを頼ったように、人のつながりは
日常的に意図的に作らないといけないと。と思ったそうです。

やりたいこと、できること、地域から求められる事という話になり、
「楽しいとおもえること」「街にかかわること」をお休みの日に初めてしまえばいいいとか。それが実績となって(最初は無償だけどね)忙しくなったら、それを本業にすればいいと。

コミュニティーは元々閉じているものだから、きちんと情報を発信し、(意識的に)新しい人が入って来れるよう、部活みたいにしたいと。
新入生が入って来て、リーダーが変わって行かないと、形骸化して高齢化するからと。

できるかぎりプロジェクトが始まるとき、山崎さんはデザイナーだけど
「デザインってなんですかねー」とか「じゃ、建築家よびましょうか」と
できるだけ自分の専門を言わないそうです。
そのほうが、かかわる人の自主性「じゃ、私やります」みたいなものが出てくるからです。

行政の仕事が8割だそうです。仕事の依頼は「ランドスケープ」だったり、「イベント企画」だったり、「総合プラン」だったりなのですが、実際にはコミュニティーをつくるわけです。ただ、納品するものは上記のもの。作ったコミュニティーに対して、対価が払われることはないそうです。(一応納品時に、ワークショップ参加者が回を重ねる毎に変わっていく気持ちを綴ったシートはつけるそうですが)行政ですからね。
ただ、やはり行政で発注をする担当レベルでは、彼のコミュニティーをつくる力を知って発注するわけです。

今日は夜ふたつの講演をかけもって、明日の講演のために名古屋へ夜中行くという
ハードスケジュールの山崎さん。
話っぷりは、えんがわ教室の北池さんみたいに、論理的、平等、ファシリテーター的な
かんじでした。

これから本を出されるそう。
アイスブレイクの仕方20、地域ででなんとかの20、アイデア集みたいなもの。

会社では営利の仕事と非営利の仕事をうまく組み合わせて、非営利のほうで冒険したり
試したりしているそうです。失敗はそこで受け入れて行くそう。ここでも出た「失敗学」。

いやー面白かった!

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コメント4件

  • ミームのタナカ より:

    お久しぶりです。ミームのタナカです。
    参加の都合がつかなかったので、
    どなたかブログにアップしていないかと検索していたら、
    なんとマスキーさんの記事がヒット☆
    さすが、詳細なレポートありがとうございます!
    行けなかった代わりに(なるのか?)、
    今、彼の本を読んでいます。
    少しでも今の自分にプラスにできるようなヒントを
    拾えればいいのですが。
    ではでは、また。

    • K A K O より:

      お久しぶり!検索ひっかかるんですねー(さっきやったらひっかからなかった 笑)
      デザインの考え方もいろいろ。私の好きな空気でしたよ。
      ヒントあるといいですね。

  • ミームのタナカ より:

    検索は何日か前にグーグルじゃなくて、ツイッター上で出てきました。
    「コミュニティデザイン」を読んでいますが、
    冒頭から今までの自分を省みるフレーズがあり、
    この遅読の私が今までにない勢いで読んでいます。

    今の時点で気づいた事ですが、彼と私の最大の違いは
    双方向か一方向かということです。
    私は無意識のうちに“いいと思うもの”を押し付けるような、
    自分の感覚を信じすぎている傾向に気づかされました。
    自分以外の人の力を借りて、人×人のかけ算を楽しみ、
    なおかつそれを継続的に運用していくということに力を感じました。

    以前、大学の教授に「死ぬまで勉強!」と言われ、「ウエー」と思っていましたが、
    今はそれが楽しいと思えるようになってきました。
    もう少し勉強できたら、マスキーさんともお会いしたいです☆

    • K A K O より:

      へーそうなんだ、私も今年はコミュニティーデザインの本ばかり読んでて、(家にいっぱいあるけど要る?)
      いいもの押しつけ、、、笑 基本提案しちゃうけどね。
      でも人×人×時間はすごくいい概念だなぁと思ったよー。

      うんうん。また飲もうねーー!

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